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イスラエル発のビジネス・サービスのパワーの源泉は技術力ではない

April 27, 2018

 

イスラエルのハイテクスタートアップと日本企業とをつなぐという仕事柄、両者の「技術力」については自分なりに思うところがある。

 

ちょうど今週、ジャパンカントリーマネージャーの代行をしている某スタートアップ企業のリージョナルミーティングに参加するためイスラエルへ来ており、ふと考える機会があったので書き留めておきたい。

 

リージョナルミーティングには米国や欧州からも代表者が来ていて、欧米のオートモーティブ(自動車関連)事情について色々と知ることができた。情報交換する中で、日本はオートモーティブ業界のデジタル化について非常に遅れていると痛感した。

 

一昔前にUber(ライドシェアリング)が出てきたときの感触と似ている。欧米ではすでにさまざまなアプリケーションが発表されている。そのどれもが日本では当分出てこないだろうと思うようなものばかりであった。そして、ビッグデータ活用に関する進歩は目を見張るものがあった。

 

ただし、私は決して日本が技術力で劣っているという話をしたいわけではない。メディアやインタビューなどで日本の技術力が低下していると唱える人を見かけるが、私はそうは思わない。世界中のさまざまなアプリケーションを見ているが、日本の方が技術レベルは高いように思う。丁寧に作り込まれた仕様やその精度では決して負けていない。「日本では出てこないだろう」と私が感じる理由は技術力以外の部分にある。

 

具体的な事例として、米国で始まっているオンデマンド給油サービスを紹介しよう。

 

これは仕事やショッピングなどで駐車している間に、スマホのアプリケーション上で給油を依頼すると、給油車が来て給油し、アプリケーション上で課金まで終えてくれるサービスだ。時間に追われている現代人にとって、効率的に時間を使える非常に便利なサービスである。

 

驚きなのは、このサービスを提供しているのが大手ガソリン会社や燃料系の会社ではなくスタートアップ・ベンチャー企業だということである。正直なところ、いまやこうしたアプリケーションを作ること自体はさほど難しくはないだろう。決済機能やデータゲージなども、既存の他社製品をインターフェースでつなぎこめば十分で、作れないことはない。手がけるのが日本人の開発者であれば、今のアプリケーションよりもっと手の込んだものを作るだろうと思う。

 

しかし、日本ではベンチャー企業がこういったサービスを思いつくことも、既存のルールを押し切って日本市場に展開するということも、イメージしづらい。なにかと規制に縛られている日本で、ベンチャー企業がこんなサービスを推進しようとしたら、ものすごい勢いで袋叩きにされそうである。基本的な構図としては、まずは大企業が慎重な形で進めてみる。ベンチャー企業はその周辺の付帯サービスとして色々なものを作る。これが定石ではないだろうか。

 

かつて私がどっぷりと浸かっていたメッセージアプリケーションも同様であった。

 

今ではWhatsappやTelegramなど多種多様なアプリケーションが存在するが、なかでもベンチャー企業のViberは早い段階からサービスを開始していた。創業者のタルモン曰く、LINEよりも半年早く事業展開し、日本でもメッセージングサービスとしてナンバーワンだったのだ。

 

当時、Viberのようなフリーコール、フリーメッセージングアプリは、通信業界における既存の仕組みやルールを壊しかねない大きな脅威であっただろう。日本ではその後LINEがその後一気に市場を広げるが、個人的には”ドベンチャー”というよりは韓国Naver社の後ろ盾があって立ち上げられたというイメージが強い。

 

一つのベンチャー企業にすぎないViberが、通信業界の既存のルールに真っ向から突っ込み一気に世界へ広げていった経緯は、創業メンバーから何度聴いても面白く、感服してしまう。Viberの成り立ちについては過去のブログでも紹介したことがあるが、世の中にこんな楽しいものがあったらいいな、便利だなという純粋な思いから創業メンバーが作り上げたものである。

 

イスラエルスタートアップの現場で働いていると、そのサービスや製品への強い気持ちや、ある事象に対して問題解決をしたいという意気込みこそが面白いサービスを作りあげる源泉なのだとつくづく感じる。新規ビジネスをスタートするにあたり、技術力の優劣を議論することには意味がないというのが私の考えである。

 

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