
IVCニュース:アメリカのプライベート・エクイティ投資が遂に登場
2020年から2021年にかけて、投資家のミドルラウンド(シリーズB,C)からレイトラウンドにおける成長企業への投資額と注目度の上昇が顕著だった。 しかし、それは変化の一部に過ぎない。 投資家の特性にも僅かな変化が生じている。2021年のミドルからレイトラウンドの投資案件の73%はアメリカを拠点としている投資家によるものであり、2016年から2020年のこの割合は60~68%であった。 また、アメリカのプライベート・エクイティ(PE)投資が増えている。2021年における大きな変化は、PE投資家の割合が9~10%から20%へと上昇したことである。 こうした変化はミドルからレイトラウンドに明確に表れており、シード投資の30%がPE投資家によるもので、43%であったアメリカVCの割合に僅かに届かなかった。 イスラエルのテック領域において、ユニコーンのエコシステム形成には多額の資金が必要なため、アメリカのPE投資家の存在は重要である。最近はK1、Blackstone、BlackRock、General Atlanticなどの金融分野のビッグネームがイスラ

特集:イスラエルにおける新しい高齢者介護ソリューション
イスラエルの革新的ソリューションから読み解く世界のシニアケア・トレンド 本レポートのハイライト 1. 世界の高齢者市場は2027年までに約1兆9,400億ドルまで上る 2. 在宅介護・介護付き住宅におけるデジタル化が進むと予測される 3. イスラエルで革新的な高齢者介護ソリューションを提供する新興企業8社を紹介 4. 日本の新しい形の福祉施設【Share金沢】を特集 5. テクノロジーとエイジングの関係性と未来 ※ 本資料は英語で書かれております。 本資料「特集:イスラエルにおける新しい高齢者介護ソリューション」は以下の資料ダウンロードページ・テーマ別レポートよりダウンロードが可能。興味のある方はぜひ確認をしてみてほしい。 無料の資料ダウンロードはこちら:https://www.jakore.com/materialdl

イスラエル自動車技術産業の現在と未来:後編
自動車産業の危機と、新たな飛躍 イスラエルの自動車・ハイテク産業は、2020年半ばに底を打った後、現在は飛躍の段階にある。 自動車分野スタートアップ企業の中にはすでに上場している企業も少なくないが、資本市場では期待通りの成功を収めることができておらず、株価の数十%を失っている企業もいる。 ところが、昨年すでに自分のキャリアの「次の章」を計画していた自動車業界のプレイヤー、起業家、経営者たちが、COVID19以降の多くの技術分野で特徴的に見られる金融バブルにより、一夜にして、実際に、あるいは紙面上で、億万長者になったのだ。前述したように、自動車業界の他の企業は、まだ大きな収入を計上していないものもあるにもかかわらず、2017年の時点でも想像上とされていた評価額に基づいたディールが完了するのを待っている段階だ。 イスラエル自動車技術産業の今後 現在の金融バブルが縮小あるいは爆発した場合に、イスラエルの自動車技術産業がどうなるのかが今後の大きな問題となる。 その答えは、いくつかの外的要因に左右される。 1つには、国際的な規制があげられる。例えば、国連は

【スタートアップ深層】Smart Resilin - 環境負荷の低い弾性タンパク質を独自の技術で人工的に生産
Smart Resilin はこれまでヘブライ大学、米国の資金調達サイトであるエンジェルリスト、および投資会社からの資金面のサポートを受け、研究室規模での開発を行っているが、今後さらなる品質向上やより幅広い製品分野への応用、市場での商用化を実現するにはより多くの資金が必要だ。その

【スタートアップ深層】Melodea - 次世代の植物由来新素材CNCを独自の技術で開発・製造
Melodea社(以下: Melodea)は、世界中で拡大するプラスチックごみ問題の対応策として、環境に優しい植物由来新素材CNC(セルロースナノクリスタル)を独自の特許技術で生産する。
世界中のプラスチックの年間生産は約3.8億トンに上り、その内リサイクル率は9%ほどで、約4

【スタートアップ深層】MyPrivacy - オールインワンのスマートフォン向けプライバシー管理アプリを開発
MyPrivacy社(以下: MyPrivacy)は、誰もが自分の個人情報を自らの手で監視・管理できる世界の実現を目指して2012年に設立された。
同社の製品の一つである「MyPermissions」は、プライバシー管理アプリとしてモバイル版・ウェブ版合わせて350万ダウンロード

【スタートアップ深層】Nexar - 自動車事故リスクを低減し、世界初の安全運転V2Vネットワークを築く
Nexar社(以下: Nexar)は、AIと車両間ネットワークを搭載した車載カメラを通じて、全ての自動車をスマート化し、世界初の安全運転V2Vネットワークを構築する。 同社共同創業者のEran氏は、イスラエルの連続起業家で、同氏が以前創業した会社(Dapper社)が2010年に米

イスラエル自動車技術産業の現在と未来:前編
自動車産業の基盤を作った2つのプロジェクト イスラエルの自動車産業の物語は、モービルアイ社による2014年の大型IPO、その後2017年のIntelによる大型M&Aにより始まった。しかし、自動車産業発展の始まりは、それよりずっと前の2008年だと言える。 2008年、イスラエルでは2つの大きなプロジェクトが開始した。 1つ目は、ベタープレイス社の電気自動車開発プロジェクトだ。こちらのプロジェクトは失敗に終わったものの、技術・人材育成の両面で、近年のイスラエル自動車産業を支える土壌を作った。実際、ベタープレイス社が開発した充電管理、車両間の通信などの技術が、近年の自動車業界やそれ以外の業界でも適用され始めている。 2つ目は、GMの先進自動車技術のR&Dセンターの設立だ。当時の自動車業界では、世界の自動車生産拠点から遠く離れたイスラエルにR&Dセンターを開設することは、決して容易なことではなかった。しかし、このR&Dセンターは数年のうちに、世界の自動車産業の中で最も先進的な技術の研究開発センターの一つとなった。 ベタープレイス社が破産してしまったこと