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リスク対イノベーション②〜イスラエル技術を海外展開させる際のリーガルマターについて

June 5, 2018

 

前回のブログでは、イスラエル技術を持ち込む際の難しさについて一般法務の視点で触れた。基本的にはリーガルプロセスに限らず、社内制度や国レベルでの意識の違いが現れているという話であった。

 

今回は同じRisk v.s. Innovationの中でも「規制」に対する姿勢を取り上げたいと思う。海外事業を展開しようとすると、必ず引っかかってくるのが規制である。これをしっかりと守る形で事業を行おうとすると莫大なコストがかかってしまうことも多い。

 

米国とイスラエル、日本では「法的規制」に対する意識が違う

 

米国とイスラエルのスタートアップを比べると、イスラエルの方が規制に対する意識が希薄であるように感じる。米国では州ごとに、あるいは連邦単位で法や規制が異なるのも珍しいことではない。そのため米国でサービスを開始するスタートアップは、こういった事情にわりと敏感で慣れているのだろう。一方、イスラエルの技術やサービスには時折とても斬新なものが登場する。その斬新さは規制に対する認識の違いにもよるものではないかと思う。

 

ここで日本にも目を向けてみる。日本では何か新しいものを作る際に、まず法規制の観点で可否を検討し、問題がないことを確認した上でプロダクトやサービス作りに着手することが多いのではないだろうか。

 

イスラエルの場合は順序が違う。「こんなプロダクトやサービスがあると利便性が高く、潜在的な問題を解決できるのではないか」という観点でスタートし、「それは世に出しても規制面で問題ないか」を考えるのは次の話である。一つの大きな理由は、必ずしも展開するのが自国とは限らないからなのだろうと思う。

 

重要なのは規制そのものではなく、どうやればできるか?

 

実際にイスラエルのスタートアップに日本やアジア進出の相談を受けると、そもそも日本や東南アジアでは規制上認められないというサービスが多い。私も真っ先にそれを伝える。

 

ただ、面白いことに彼らは諦めない。事業展開が難しいとわかっても折れることなく、「どうやったら提供できるか」を聞いてくる。つまりプロダクトやサービスはとりあえず作ってみる。しかしその後、規制に合わせてプロダクトを再開発していくフレキシブルさを持っているのである。そのため相談に乗る立場としては、「どうやればできるか」をプロダクト目線で考え、話を進めることを心がけるべきである。

 

以前ブログにも書いた通り、バイバー(Viber)の創業メンバーも3回事業を起こしているが、3回とも非常に規制の激しい業界に殴り込みをかけたものである。音楽ファイル交換による著作権との戦い、通信事業やデータプライバシーとの戦い、タクシー業界との戦い。いずれも簡単ではないいばらの道を突き進むものばかりだが、彼らはプロダクトの再開発を繰り返してサービスを作りあげてきた。その精神力にはほとほと頭が下がる。

 

また、ITやデジタルサービスの急速な展開により規制自体が追い付いていないという側面もある。可否が曖昧ではっきりしない事も非常に多い中、リスクを背負って日本にサービスを持ち込むのは非常に勇気のいることだと思う。

 

あなたがイスラエルスタートアップと事業を推進する企業の法務担当者なら

 

いずれにしても、もしあなたが法務担当者だとしたら、イスラエルスタートアップと日本やアジアでの事業展開をする際は、関連する規制や法律についてしっかりと伝えて行くべきだ。外資規制、電気通信事業法、知的財産、金融商品取引法、資金決済法…言い出すとキリがないが、少なくともこの辺りはきちんと理解してもらう必要がある。

 

ただし、規制上ダメだと言って話を終わりにするのは簡単だが、それではせっかくの機会がもったいない。彼らの規制に対する意識やそれを乗り越える姿勢を理解し、どうすれば規制に引っかからないかヒントを提供し、どのくらいリスクを背負えるのか、その覚悟を再確認できるように話すことが重要である。

 

斬新なイノベーションと今のビジネスを守る規制。両者はいつも相異なるが、日本とイスラエルという真反対の二国間で考えるには面白いテーマである。

 

次回もこのポイントを掘り下げ、人事労務に対する認識の違いなどを題材に語りたいと思う。

 

 

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