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2300のバーチャルミーティングが実現!世界最大規模のモビリティ・スタートアップイベント「EcoMotion Week 2020」

EcoMotion2020

https://ecomotion-2020.b2b-wizard.com/expo

 毎年テルアビブで開催される世界最大規模のモビリティ・スタートアップイベント「EcoMotion Week 2020」が5月18日から21日まで開催された。今年は新型コロナウィルスの影響により、バーチャルサイトでのイベントとなったが、世界中からおよそ3,000人がイベントに参加し、2,300件のバーチャルミーティングが実現した。また今年は170社のスタートアップが参加し、1on1チャットでの交流数は15,000件にのぼった。

EcoMotionとは

 EcoMotionはイスラエル・イノベーション協会やイスラエル経済産業省などをはじめとする産学官連携によるイスラエルの自動車・ハイテク産業関係スタートアップと世界中の企業や投資家をつなぐコミュニティ。これまでに600社以上のスタートアップ企業と11,000人以上のスマートモビリティ分野のメンバーがコミュニティに参加している。また毎年開催されるEcoMotion Weekや投資家向けのイベント、ハッカソンなども開催している。

今年は初バーチャル開催!世界中からイスラエルに集結

特設サイトのRegistrationから登録するとサイトから「メイン・ステージ」や「エキシビジョン」、「B2B」などリアルタイムでそれぞれのイベントに参加ができる仕組になっていた(図1)。また対談に関しては録画もされていため、後からオンデマンドで視聴することも可能であった。

図1:EcoMotionWeek2020オンライン特設サイト

(EcoMotionのFacebookページから)

2020年のコンセプトは「Breaking-Through Mobility Innovation」

 5月19日には「メイン・ステージ」でいくつかのパネルディスカッションや対談などのプログラムがリアルタイムで配信された。今年のコンセプトは「Breaking-Through Mobility Innovation」。EcoMotionのExecutive DirectorであるOrlie Dahan氏は、コンセプト内の「Breaking-Through」は単なる「進歩」や「前進」としての意味だけで使用しているのではないと述べた。

Orlie Dahan氏は「異なる分野と考えられていた技術でも視点を変える事で、当分野に関連していることがあります。変わりゆくニーズに合わせて適応するためにも、当分野に関連していることを理解することが最初の一歩です。そして今がその一歩を踏み出す時でしょう。」と述べた。またOrlie Dahan氏は新型コロナウィルスの影響で急遽バーチャル開催に変更したと説明。

 「私達は6ヶ月前からこのイベントの準備をしてきました。しかし新型コロナウィルスの影響でオフラインではなく、デジタル上(バーチャル)での開催にシフトしました。デジタル上でもより多くのシナジーが生まれるようオンラインプラットフォームを作成しました。」と述べた。

アフターコロナの都市モビリティ

 パネルディスカッションの一つではコロナ危機からどのように都市モビリティを変化させていくべきか議論された。EIT Urban MobilityのCEOであるMaria Tsavachidis氏は「新型コロナウィルスは多くのビジネス領域に変化を与えるでしょう。新型コロナウィルスは人々が旅行する方法や都市間の移動手段を確実に変えました。コロナ危機によって、都市モビリティにおける新しい持続可能な解決策が開発されると信じています」と話した。ウィンストン・チャーチルの言葉である「Never let a good crisis go to waste(良き機会を無駄にするな)」のように、コロナ危機をどう乗り越えていくか。熱い議論が交わされたパネルディスカッションとなった。

モービルアイ(MobilEye) 2022年からロボットタクシーを始動

 イスラエルでは2019年の時点で644社のモビリティ関連スタートアップがある。そうした数あるモビリティスタートアップの頂点に立つといっても過言でないのがIntel傘下で車載向け画像処理チップを開発しているMobilEyeである。Enrouteの創設者兼CEOのAviv Frenkel氏による、MobilEyeの創設者兼CEOのAmnon Shashua氏との対談では、2020年から完全自動運転によるロボットタクシーサービスの提供を開始すると発表し、絶対的な王者の威厳を保った。このサービスはエルサレムでスタートし、その後イスラエル、フランス、韓国、中国など拠点を広げていく予定だ。

 また、新型コロナウィルスの影響で、ここ数か月の間に人々の生活はどのように変化したかという質問に対しAmnon Shashua氏は「新型コロナウィルスにより私たちの顧客の多くが生産を停止しました。ただこうした危機に直面したとき、その危機に陥ったことよりも、どうやって抜け出すかを考えなければならず、それをみんなが模索していると信じています。そしてMobilEyeはこの巨大な危機から抜け出すためにより強く、効率的なステップを行っています。」と述べた。

モビリティ・スタートアップとのビジネスマッチングを可能にするプラットフォーム

 今回の展示会では、イスラエル国外に拠点も置くスタートアップ企業も含め170社が参加した。それぞれのスタートアップ企業の紹介はExhibitionコーナーから閲覧できる(図2)。業種などで絞り込むこともできるので自分が気になるスタートアップ企業をスムーズに見つけられた。

図2:Exhibitionコーナーから170社の企業情報が閲覧可能

 こうしたプラットフォームを通じて、チャットやミーティング申し込みによるネットワーキング、各企業の詳細情報、さらには資料のダウンロードや、ビデオを提示する企業もいた(図3・4)。実際、このシステムを活用して2300のチャットミーティングが実現した。

図3・4:実際の企業ページ

 また登録時に自身の経歴以外に、どういった目的で参加しているのか、何を提供できるかなど書く項目もあり、オフラインよりも効率的かつ質の高いコミュニケーションが取れる仕組みになっていた。特にオフラインイベントでは、名刺を渡してから連絡をとるまでのやり取りに時間がかかってしまいがちだが、このイベントではリクエストを送ると相手に届き、そこからやりとりを開始できた(図5)。

図5:B2Bコーナー、気になるCEO達と直接やりとりができる

 オンラインということもあり、これまでとは違う雰囲気になったEcoMotion。しかし、物理的距離の制約に縛られないことで、これまではアプローチできなかった層への参加につながっただろう。EcoMotion 2020のテーマである「Breaking-Through Mobility Innovation」を象徴するようなイベントになった。

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