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イスラエルと日本の法務・人事労務の違いに目を向ける【イスラエルとの縁-9-】

September 21, 2017

 

イスラエル製品を日本展開するには考えるべき点が多々あるが、今日は実際に実行するにあたって直面する法務や人事労務における違いに目を向けてお話ししていきたい。

 

市場展開の成否は担当者の問題?

日本に拠点を置き、セールスやマーケティングの担当者をアサインしたところで、プロダクトやテクノロジー、サービスの品質が市場で求められるレベルに到達していないと、結果に結びつかなくても不思議はない。

しかし、イスラエル人には日本市場の特異性は理解されにくく、結果が出ないのは担当者の資質によるものではないかと考えられがちである。そして、この行き違いにより多くの衝突が起き、ときには労務問題や法的問題にまで発展する。

日本とイスラエルでは法律体系や人事労務に関するコンセプトが違うため、ひとたび問題が発生してしまうと解決するのは容易ではなく、多くの時間とコストが発生する。

 

法務も合理性重視のイスラエル

法務の視点では、契約行為や債権回収、知財関連といった事業を進める上で重要なものに関して、イスラエルの法的解釈や手続きは合理的である。問題解決も迅速に進むような構成になっているように感じた。

しかし、日本のそれは特に手続きの面で事務的であり、慣習が盛り込まれている。経験上、せっかちで物事を前へ前進めたがるイスラエル人の理解を得るのは至難の業である。

 

解雇はタブーの日本企業。最も違うのは人事労務の考え方

そして、もっとも顕著に違いが表れるのは、人事労務に関する考え方の違いだ。

日本社会にある「会社は簡単に人をやめさせることができない」という常識が故の衝突と言えるが、イスラエルでは結果が出ない場合に従業員を解雇するというのは珍しいことではない。1か月前通知とヒアリングを実施することで手続きを進められるのである(対象者が妊娠しているなどの特殊事情がある場合は別である)。

ここで難しいのが、イスラエル企業が日本に人を置いて事業を行い、思うように成果が出なかった場合の話である。イスラエル人の常識では、すぐに解雇の話になる。しかしご存知の通り、日本では「解雇」はそう簡単には出てこない話である。

また日本で人を雇う際に、雇用契約の期間を半年や1年などの単位にしたり、給与も基本給をうんと下げ業績連動型のボーナスを極端に高く上げるような設定をする傾向にある。これは日本人の一般常識からすれば、不安定極まりない雇用体系であり、いい人材を確保するのが非常に困難になってしまう。

あまりにも常識が異なるため、私は日本進出するイスラエル企業には、このあたりのことを口を酸っぱくしてレクチャーしているつもりだ。

 

失敗が許されない日本、失敗から次のチャレンジが生まれるイスラエル

人事労務系の衝突から思うのは、やはりイスラエル人と日本人とは仕事へのスタンスが違うということである。

 

もともと日本では失敗は許されないという風潮が強い。成功を夢見てチャレンジしても、一度仕事でクビになるような失敗をしたら、人生にずっとそれが付いて回るような気持ちになるのではないか。仕事にかける価値観は人それぞれだが、多くの人は将来への見通しや保証、安定を求める傾向にある。

しかし、前に言ったように戦争が身近にあるイスラエル人は半年からせいぜい一年しか先を見ていない。常に短いサイクルでの勝負の連続である。その状況では一度の失敗を気に病んではいられない。イスラエル人は失敗しようと気にかけず、次のチャレンジを楽しむ精神的なタフさを身につけているのだ。

どちらが正しいという話ではない。こうした両国の人の気質の違いがある以上、事業を進める上で最も重要な「人」にまつわる問題が起こるリスクが高いということを理解していただけたのではないか。今後イスラエルと日本とでビジネスをする方には、ぜひ忘れずに意識しておいていただきたいと願う。

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